「作者」×「作品」×「Office365」
先日、国語の授業で「やまなし」の学習を行いました。
(光村図書:6年)
このお話は、宮沢賢治さんの作品で、長く愛されている教材文です。そして、「やまなし」だけでなく、資料として「イーハトーヴの夢」という作者にせまる資料も掲載されています。
そのことから、作者の生き方や考え方と、作品とを関連させて読み深めることのできる教材になっています。
カリキュラムマネジメントの視点から、意図的に単元を入れ替えたので、こどもたちは「海の命」を先に学び、その後「やまなし」を学びました。
光村図書の国語の教科書に掲載されている教材の中で、作品と作者とを関連付けて読み深めることのできるものは、この「やまなし」だけだと思っています。
(もちろん、資料を用意すればどの作品でも可能です。)
こどもたちも、そのことに気付いており、
「作者のこういう経験が、作品のここに表れていると思う。」
「作者は、やまなしを通して、こんなことを伝えたかったと思う。」
といった感じで、作品の世界のことを、作品の外側からも想像して読むことができ、自分の考えをまとめることができました。
ここで、新たな読み方・考え方をゲットしたことにより、この「作者」×「作品」という読み方・考え方を使ってみようという話になりました。
私は、「やまなし」を通して身に付けてほしい力について、こどもたちが十分に達成できていると感じていました。そのため、こどもたちの考えを、できる限り尊重しようモードになっていました。
さあ発展的な学習ですから、こどもだちのアイデアはあふれ出てきます。
結果的に、物語の作者だけでなく、絵画、音楽、漫画など、さまざまなアーティストに広がっていきました。もうお祭りです!
しかし、ここで問題が発生します。
「やりたい思いはふくらんだものの、どうやって情報を集め、どうやってまとめていこうかな。」
「イーハトーブの夢」のような資料が、全ての作者に対して用意されているわけではありません。ましてやコロナ禍です。頻繁に資料を借りたり共有したりすこともやりにくい状況がありました。
そんなとき、救世主が届きます!
SurfaceGo2!!!!
本校では、2月からの使用に向けて、6年生が先行して1月から使用することになりました。「Office365」も入っており、調べることもまとめることも、これで解決できそうです!
しかも、コロナ禍で会話というコミュニケーションがとりにくい中でも、チャットを使えば考えの共有が図りやすくなります。
早速、「作者」×「作品」×「Office365」という国語の授業が始まりました。
ここでは、可能性を制限しないために、自己決定を大切にすることになりました。
「作者の生き方や考え方などが、作品とどうつながっているか」という共通の視点はもちましたが、他は自分で決めて学んでいきます。
ある子は、PowerPointを使って作者と作品とのつながりを表すことにしました。
ペンを使用しての操作が自分に合っているようで、絵をかくように資料づくりを楽しんでいました。
この子は、PowerPointを使って、あっという間に資料を整えていました。
もともと医学に興味があるようで、「作者と作品?」という疑問を投げかけようかと思いましたが、生き方や考え方が何らかの形で表現されていることに気付いていたため、広く考えていいよね、ということになりました。
この子はWordを使って資料を書いていました。しかも家庭のデバイスを使用して、自分の主張と根拠をまとめてから臨むという意欲!
思考する時間と表現する時間を分けたかったそうで
「今後は紙と鉛筆でアイデアを出しながら、まとめるときはSurfaceを使いたい。」と言っていました。
自分に合った使い方を選んでいる素敵な姿だと思いました。
(まだ課題の設定ができないことが残念ですが)
まとめている資料の途中経過を、チャットに貼り付けることで共有しました。
特に指示をしたわけではないのに、「お願いします」という一言が添えられていたり、友達に「いいね」を押したりと、テキストのやりとりでも温かさを感じることができました。
「みていい?」「やだやだ」という微笑ましいやりとりです。
この後、見せてもらえたのでしょうか??
次の授業で聞いてみたいと思います。
まだ、単元の途中であるため、できあがった資料は後日紹介したいと思います。
ただ、既に「文章を読んで理解したことに基づいて、自分の考えをまとめること」という目標は達成できており、さらに「作者と作品をつなげて理解したことに基づいて、自分の考えをまとめること」という目標に向かって学ぶことができています。
アイデアはうかぶのに、うまくできない。そんな隙間を埋めることができたこと。
自分に合った方法を選んで表現できたこと。
感染リスクを抑えながら、考えの共有ができたこと。
今回は、このような成果があったと考えています。
まだまだスタートして1週間程度。
これから可能性が広がっていくことが楽しみです!!